夜明け前の心臓(仮)

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

セカンドオピニオン

セカンドオピニオン

前から言っていたとおり、はる君の機能的根治術であるフォンタン手術に臨む前に“第二の意見”セカンドオピニオンを求めに行った。
今回はその内容を書き留めたエントリーになる。
病児の親と言うだけで医療の知識にとぼしい者が書いておりますので、正確性の保証はできないことを念頭にお読みください。

2020/03/09

外はよく晴れ、上着も必要ないほどあたたかい日だった。
セカンドオピニオンには“両親揃って、出来るだけ患児本人と一緒に来てください”と先方の病院から指示を受けていたので、はる君にとって初の長距離移動になった。
新型コロナウイルスCOVID-19は依然として世間を騒がせており、病院からも全員マスク着用を言い渡されていた。

学校が休校なので次男ふゆ君も連れて行ったところ、病院窓口で「患者本人以外は入れません」と言われ困ってしまった(長男あき君は放課後等デイサービスに行っている)。
今回はセカンドオピニオンであり診察ではないこと、預け先がないことを説明して個別に対応してもらえた。
ただ時間までは病院内で待つことはできず、1時間程度車中で待機した。

実はこの病院にセカンドオピニオンの依頼をするのは3回目である。
1回目はフォンタンテイクダウン後に集中治療室にいた時、2回目は2019年の心臓カテーテル検査後に申込みだけはすませていたが横隔膜ヘルニアが発覚してキャンセルになってしまった。それで今回3度目の申し込みをしたという経緯だ。

1回目のセカンドオピニオンの記事がこちら。
(この記事の病院とは別である)

セカンドオピニオンの流れ

セカンドオピニオンは、病気の知識をより深め、場合によっては別の治療法を見つけるために第二の意見を求めることだ。
単に別の病院に行って初診を受けることをセカンドオピニオンとは呼ばない。

まず主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」と伝える。
次に診療情報をセカンド先の病院に提供してもらい、期日のアポを取る。
診療情報をどのようにやり取りするかは病院によって異なる。
(ある病院ではCD-ROMに焼いたデータをわたし達が持参したが、今回はデータのやり取りは病院間で行われた)

セカンドオピニオンを求めることは患者の権利であり、医師もそれは分かっているので、セカンドを求めたことで主治医との関係が悪くなったり治療に支障をきたすことはない(と言われている、普通は)。


セカンドオピニオンの内容

前置きが長くなった。
今回の結論を先に書くとフェネストレーション付TCPC法フォンタン手術は可能という判断は妥当と言われた。

病院の特色

今回行った病院は先天性心疾患の治療実績国内トップクラスの病院である。
この病院には循環器センターがあり、ここで行われるセカンドオピニオンはカンファレンスにかけられて、心臓血管外科医・小児循環器医のチームの合議で結論を出してくれる。単独の医師の考察だけではないことに信頼感が増す。
さらに、内科医・外科医の2名による説明が受けられるのもありがたかった。

数値のこと

データ上の数値では「フォンタン手術に進めないという指摘はできない」という表現をされた。回りくどいようだが、正確な表現をするにはこう言わざるを得ないのだろう。より正確に伝えようという誠実さを感じた。

はる君の現在の心臓

はる君の心臓は両方向性グレン手術に右室から肺動脈へ人工血管をつないだ状態だ。



血液の流れはこんな感じ。
下半身からの血液は心臓へ、上半身からの血液は心臓を介さずに直接肺に流れている。

フォンタン手術を行うにあたって懸念されるのは左肺動脈の細さである。

正面から見ても細いが、大動脈を輪切りにしたアングルからだと素人目にもかなりの細さに思える。

元の病院ではフォンタン手術の際にパッチをあてて左肺動脈を太く形成するという説明を受けており、わたし達もそれに納得していた。

今回セカンドオピニオンで指摘されたことの一つが、肺動脈を形成するのに十分な空間があるかどうか確認が必要だということだ。

仮に、十分なスペースがない場合はいくらパッチで形成しても押されてつぶれてしまうことにもなりかねない。
この病院ではこうしたケースで大動脈を同時に形成して肺動脈を拡張する空間をとる手術をしたこともあると言う(過去10例程度)。
ただし、手術の総量は多くなる。人工心肺を使う時間も伸び、リスクもあがる。結果が期待できるときのみ行われるようだ。

左肺動脈をどのように拡張するか確認するというのは非常に重要な指摘だと思うので、明日からの入院のどこかで主治医に必ず聞いてみたい。

横隔膜のこと

フォンタンテイクダウン後に横隔膜ヘルニアが判明したが、ヘルニアについては根治術を受けて治療は終わった。
その結果、左肺が膨らむスペースが確保できたことで左肺の酸素の値が上がった。
これは肺の機能が上がったのではなく、呼吸面積がよくなったのだろうと考察されていた。

度重なる心臓手術のどこかで横隔膜の神経に触れて横隔膜の動きが悪くなっていたと仮定した場合、横隔膜マヒはフォンタン手術のリスクファクターであると言う。

左肺の酸素化能力が横隔膜マヒで低下している場合でも、右肺だけでもフォンタン循環が成立するかは確認した方が良いとのこと。
正直、右肺の問題(後述)に気を取られていたので左肺の問題については寝耳に水だった。

肺動静脈瘻

右肺の肺動静脈瘻は、下半身(肝臓)からの血液が肺に流れ込むことによって改善しているとのこと。
肺動静脈瘻があると肺の酸素化能力は低下するが、肺の圧力は下がるとのことで、「心臓に負担をかけないように」という観点から見ると別に悪くない、という。これも初耳ですっごくびっくりした。

前回フォンタン手術に踏み切った理由の一つは、肺動静脈瘻をこれ以上悪化させないためだった。
フォンタン手術を行うことで、肺動静脈瘻の悪化のリスクをまた減らせることになる。

心臓MRIのこと

心臓の機能を調べるためのゴールデンスタンダードといえばカテーテル検査とされているが、近年心臓をMRI撮影するという新たな取り組みが行われているという。
お子様が心疾患児のSNSの相互さんも心臓MRIを撮ったと言っていたので、そういった検査があることは耳にはしていた。

今までの経緯を考えて、より慎重に経過を観察するために心臓MRIを撮るという意見も出たようだが、その結果はカテーテル検査の結果を後押しする程度になる可能性が高いとのことだった。
ただし、今回のフォンタンでまたトラブルが発生した場合、心臓MRIを撮影することによって、新たに何か分かる可能性はあるようだ。もしまた上手くいかなかった時は(考えたくはないが…)、やってみる価値はあるのかもしれない。

総括

だらだらと書いてしまったが、左肺動脈の狭窄部分をどう解除するのかについて、納得いくまで主治医に聞いてみたいと思えた。
でもまだまだ知らないことだらけだ……。
お金さえかからなければ、ずっと話を聞いていたかった(セカンドオピニオンは自費である)。
内科系の先生にいただいた文章の中に“想像を超える回復を見せている”と書かれていた。
ああ、そうだったね、はる君は本当に強かった。

あまりに冗長で図案も少なく読みにくいので、入院中になんとかも少し整えたいんだけど、無理かもしれない。

明日からカテーテル入院です。付き添いします。Twitterにはいます。
入院中はブログも毎日更新を目指します。


したっけ、また!