夜明け前の心臓(仮)

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

酸素ボンベが必要な子どものこと、わが家の場合

今日タイムラインで見かけたこのニュース、在宅酸素ユーザーのいるわが家にとっては他人事ではなく、とてもつらい。

www3.nhk.or.jp

はる君は比較的外出する機会が多いと思うけど、電車やバスの中で同じように酸素をつけているお子様には会ったことがない。
ましてや、一般の方が酸素吸入をしている子を見かけることなんて、ほぼないんじゃないかと思う。

どうして酸素をつけているのか?何に気を付けたらいいのか?知らない方が多いだろう。
そこでわが家のことを簡単に書いてみた。
わたしが主治医から聞いた話を自分なりに解釈した話がメインだから、医学的には正しくないかもしれない。ご承知おきください。

酸素吸入が必要な理由とは?

大きくふたつある。

  • 低酸素状態の改善のため
  • 肺の血管を広げるため

はる君は左心低形成症候群という、左心室がほとんどない心臓の奇形を持って産まれてきた。
通常は並列つなぎである心臓を、手術で直列つなぎにする手術(=フォンタン手術)を目指している。

低酸素状態の改善のため

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通常の心臓(並列)
これを
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フォンタン手術後の心臓(直列)
こうしたい。

一気に手術することはできず、何回かに分けて手術をする。現在は上半身だけ直列になっている。

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両方向性グレン手術後の心臓(上半身だけ直列)

この状態だと動脈血と静脈血が心臓で混じりあってしまい、体を流れる酸素が普通の人より少なくなる。
だから少ない酸素を補うため、酸素を吸入しているというのが一つ。

肺の血管を広げるため

酸素ガスには肺の血管を広げる作用がある。
フォンタン型(直列)の心臓にするには太い肺動脈が必要なため、肺動脈の発育を促進するために酸素吸入をしている。

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この図で言うと青い矢印が(大静脈→)肺動脈

(がんばって酸素療法をしているけど、どうも肺動脈があまり太くなってくれず、次回手術のときには肺動脈も太くする形成手術もしなくてはいけないかもしれない)

酸素をしている子に会ったら、何に気を付けたらいいか?

当然のことながら、火気厳禁である。
(説明するまでもないけど)酸素は助燃性の気体なので、一度酸素の管のまわりに火が燃え移ると、きわめて激しく燃え盛ってしまう。

だから24時間在宅酸素療法をしている家庭では火の元にふつうの育児以上に注意している。
わが家の台所はガスなので、火を使う料理中は絶対に台所に立ち入らせないように神経をとがらせている。
焼肉、バーベキューも危険だ。というか直火焼肉、禁止。


だから歩きタバコで近づかないでほしい。
歩きタバコから落ちた灰が子どもにあたって火傷するという事故がかつて起きていたが、あたった相手が酸素療法中の子どもだったらただの火傷では済まない。


これは人にもよるだろうけど、そのボンベは何なのか、何故酸素を吸入しているのか、と尋ねても構わない。失礼だとは思わない。
遠巻きに眺めてひそひそと囁かれる方が気になる。

どう接したらよいか分からないなら、何に配慮したら良いか、直接聞いてほしい。
何と声をかけたらよいか分からなければ、「お子さん、かわいいですね」でオーケー。


在宅酸素療法中の子を持つ親として、今回のニュースにはかなり衝撃を受けた。
原因はまだ分からないが、わが家に起こってもおかしくないのでは?と思わずにはいられない。

報道によると、火を使わないペースト食の講習に参加していたところだと言う。
はる君も一時は摂食障害となり、栄養剤を鼻から注入する生活を送っていた。
親御さんのお気持ちを思うと胸が詰まる。

原因は何なのか、続報を待ちたい。
そして、早急に再発防止策を講じてほしい。
お亡くなりになったお子様のご冥福をお祈りいたします。
つらい。

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