夜明け前の心臓(仮)

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夜明け前の心臓(仮)

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

はる君が生後半年を迎えました

2016/04/25に産まれたはる君が、昨日、10月25日で生後6ヶ月となりました。
この一文を打っただけで涙腺崩壊した。
今日も生きてる。笑ってる。素敵だ。

左心低形成症候群は1/10000の割合で産まれてくる先天性心疾患で、無治療の場合は1ヶ月程度で大半が命を落とす*1。命を救う方法は手術のみで、標準的には3回必要だ。かつては救命出来なかったが、2000年以降は生存率も上がって来た。とはいえ、初回のノーウッド手術は心臓手術のなかでも最高難度の1つとされ、日本全体での成功率は75%程である。
そこを乗り越え、二期の手術である両方向性グレン手術もなんだかんだで無事に終わり、後は体重を増やして、肺動脈を太く育てて最後の手術に備えている。最後の手術まで到達出来るのは全体の5〜7割程度である。

本日ははる君のこれまでをダイジェストでお送りします。このエントリーを書くために自分で書いたブログを読み返していたら、6ヶ月当日に更新出来なかった……。

出生〜両肺動脈絞扼術


生後4日。フサフサァ……。

この後、5/2に初めての手術をした。生後7日目の事だった。行ったのは両肺動脈絞扼(こうやく)術。両肺動脈をバンディングする、つまりテープをかけてすぼめ、心臓から肺へ行く血流を減少させる手術である。つるつるした(手術跡のないという意味)はる君の胸に触れたのはこれが最後だった。

並行して、酸素の少ない空気・つまり空気に窒素をプラスしたガスを吸わせる事で、高山にいるような低酸素状態にしている。
産まれたてほやほやの肺は羊水でビショビショだから、生まれ落ちたこの世に身体が馴染むまで時間がかかるのだ……とはシマノ先生の説明。


初回手術後はかなり辛かった。

ノーウッド手術

心臓手術はそもそも難しい。子供の心臓なら尚更だ。
なかでも、このノーウッド手術は最も難しいものの1つとされている。新生児期に手術を行う為、心臓が小さく血管が細いために手術そのものが難しい事、体力がない事、人工心肺を使用する事、血行動態が刻々と変化する事(ギャン泣き(啼泣)⇔おさまるを繰り返すので)など色々とある。

Norwood手術は術後管理が最も難しい手術のひとつである.新生児に長時間の体外循環という負荷をかけている点と術後刻々と変化する肺血管抵抗がその原因である.

引用:Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 31(1-2): 39-51 (2015)

5/24に、そのノーウッド手術を受けた。
2016/05/24 - 夜明け前の心臓(仮)
ノルウッド手術、第一段階を終える。 - 夜明け前の心臓(仮)
ここでもわたし達夫婦を元気付けてくれたのはシマノ先生だった。
「海外と日本の手術の実績を比べた所、日本は海外のトップクラス級の良い成績を残しているんです。なぜかわかります?理由は、海外だと心臓移植の適応になる事が多いからなんです。日本だと心臓移植は現実的ではないので、その分手術の技術とノウハウが磨かれたんです」そうシマノ先生は言い放った。
めっちゃ自信たっぷり。その自信は確かな実力に裏打ちされたものだった事を、この後じわじわと実感していった。

手術の執刀医の先生も、超絶すごかった。まず、ゴッドハンドと呼ばれていた。
_人人人人人人人人_
> ゴッドハンド <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
決してふざけていない。本当に凄い方だった。他の施設だと半日がかりの手術だが、ここだと5〜6時間で済んだ。この日ははる君のノーウッド手術の前に、別の患者さんの手術もこなしていた。全国からこの先生に手術してもらいたいからと遠い所から一縷の望みをかけてやってくる、そんな先生だった。

PICUにて。回復してきた頃の一枚。よく目力が強いと言われた。

生後初の退院

乳糜胸(にゅうびきょう)に苦しんだりするが、生後約2ヶ月の7/2退院する。
生後68日目・退院許可 - 夜明け前の心臓(仮)
季節は夏になっていた。はる君は暑さに驚いていたのか、キョロキョロしていた。

緊急入院

退院後、初の外来で緊急入院になった話
緊急検査入院 - 夜明け前の心臓(仮)
この経験から、いつでも入院に付き添えるように、お泊まりセットをすぐ出せるように準備している。
8/10に退院。在宅酸素療法を受ける事になり、帰宅。
退院しました(2016/08緊急検査入院) - 夜明け前の心臓(仮)

調整がすごく難しかった

再度の緊急入院

酸素吸入をしても酸素飽和度が上がらず受診。夏休みのため小児科が激混みだったが、奇跡的にカテーテルと外科のスケジュールの調整がついたのは幸運だった。
緊急入院・ふたたび - 夜明け前の心臓(仮)

両方向性グレン手術

そして、8/24にグレン手術。本来なら、10〜11月にする予定だった手術。その次の日には手術のやり直しを告げられ、再開胸。二度の連続手術はやはり身体への影響が大きく、入院は長期化した。
付き添い入院中、はる君が寝ている時間にブログをポチポチ書いて、ほぼ毎日更新していた。
http://calmin.hatenablog.com/archive/category/グレン手術
↑こちらで毎日の事が見れます。


グレン手術での入院中、ブログをやってて良かったのは、はる君の回復を祈って&祝ってくれた、まだお会いした事のないたくさんの方がいるという事です。はてなスターブコメ、コメントで励ましてくださりありがとうございます。心から感謝しています。

そんなわけで、はる君はきょうも元気に過ごしています。